にがりが体に悪いと聞いたことはありませんか?
実はそんなことはありません。
にがりは豆腐にも使われていますし、確かに飲み物ではないですが、昔から日本の食生活に深く関わってきました。
最近は、にがりに含まれるマグネシウムの健康効果が見直されています。
マグネシウムは身体の活動に欠かせない栄養素の吸収を手伝ってくれたり大切な役割を果たしています。
そして、意外な使われ方についても紹介しますので、最後までご覧くださいね。
にがりとその成分の正体を解明
にがりは、海水から食塩などを取り出したあとに残るドロドロした透明の液体です。
にがりは豆腐を作るときになくてはならないものです。
にがりはそのままなめると、とても苦いですよね。
そのにがりが健康効果をもたらしてくれるのは成分にあるようです。
にがりの成分を解説していきます。
にがりの主成分マグネシウムとは?
にがりは古くから日本の食生活に用いられており、豆腐の凝固剤として使われる食品添加物としても知られています。
スーパーやドラッグストアなどで購入もできますが、銘柄によってマグネシウム含有量やその他の成分含有量に大きな差があります。
にがりの主成分は塩化マグネシウムで、他にも硫酸マグネシウムや塩化カリウムなどのミネラルが含まれています。
新陳代謝を高めたり、老廃物を排せつしたりする働きがあります。
肌から直接マグネシウムを吸収することで、便秘解消やデトックス効果が期待できますね。
日本の伝統的な製塩法では、海水を太陽と風の力で濃縮し、それを火の力で煮つめて塩の結晶を採取します。
その際、ある程度まで結晶ができたところで、結晶と結晶にならなかった海水の残液を分離し、これがにがりとなります。
また、市場に出回っているにがりの多くにはマグネシウムやナトリウムが過剰に添加されており、時間がたつにつれて塩の結晶が沈殿することもあります。
このようなものは避けたほうがよいでしょう。
マグネシウムを大量に摂取すると下痢などの消化器症状を引き起こす可能性があるため、乳幼児や小児以外でも過剰な摂取は避けたほうがよいでしょう。
にがりに含まれるカルシウムの役割
にがりにはマグネシウムが含まれていますが、カルシウムも含まれています。
マグネシウムとカルシウムは深く関係しており、カルシウムだけでは強い骨は作られません。
マグネシウムによってカルシウムが良く吸収され、丈夫な骨が作られます。
天然にがりと人工にがりの違い
天然のにがりは、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
そして、少しとろみがあります。
それに比べて人工のにがりは、水で薄めたものになり、濃度が薄くミネラルの含有量も少ないものが多いです。
にがりの効果と健康への影響
にがりの主成分であるマグネシウムは人体にとってどんな作用があるのでしょうか?
詳しく解説していきます。
マグネシウムとは生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着しています。
残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在します。
カリウムに次いで細胞内液に多く存在しますが、細胞外液には1%未満しか存在しません。
生体内では、多くの酵素を活性化して生命維持に必要なさまざまな代謝に関与しています。
引用先:健康長寿ネット
高血圧の予防
マグネシウムというのは、動脈を弛緩させて血圧を下げる働きがあるため、高血圧予防が期待できます。
逆に、カルシウムやナトリウムというのは、動脈を収縮させて血圧を上げる働きがあるため、高血圧につながります。
心疾患の予防
マグネシウムというのは、血液中のカルシウム量を調節して、筋肉収縮をスムーズにします。
筋肉収縮では、筋肉細胞の中にカルシウムが流れ込み、刺激を与えて緊張が高まることで生じます。
マグネシウムに対してカルシウム摂取が高くなるほど、心臓発作の死亡率が高いことも明らかになっています。
精神安定
マグネシウムというのは、神経興奮を抑制し、神経伝達を正常に維持する働きがあります。
そのため、マグネシウム摂取で精神的なイライラを緩和させ、安定した精神状態を保つ効果を発揮します。
また、神経伝達の正常化は、体温調節メカニズムにも良い効果をもたらすことが分かっています。
便秘の解消
にがりの成分であるマグネシウムは、便を柔らかくしてくれる作用があります。
適量を取ることによって、宿便が解消されます。
しかし、取りすぎると下痢を起こすので注意が必要です。
ダイエットに役立つにがりのメカニズム
マグネシウムは、排便状態の改善に役立ちます。
ダイエットに役立つのは、便秘傾向になる状態を改善させ、腸内にたまっていた宿便を排出させた分、体重が減るということだと考えます。
しかし、継続していけば宿便がたまらず、体重が増加することもないでしょう。
便秘が解消すれば、肌荒れや化粧ノリが改善されることは、もうご存じですよね。
にがりの副作用と安全性
にがりはもともとサプリメントや薬として使われてきたわけではありません。
豆腐の凝固剤として使われてきた過去があります。
では、にがりは本当に安全な食品添加物でしょうか?
詳しく解説していきます。
にがりの副作用
にがりは海水から作られるもので、毒性があるものではありません。
にがりには、次のような副作用が知られています。
私たち人間には自分の身体に合った適応する量と言うものがあります。
自分に合った量を取る必要があります。食品でも飲み物もです。
にがりを過剰摂取した場合の危険性
にがりに毒性はないと解説しましたが、にがりを過剰に摂取してはいけない人がいます。
腎臓病を患っている人には、マグネシウムを排出する機能が低下しており、体内にたまってしまう傾向があります。
腎臓に障害がない健康な人は、過剰摂取を基本的に日常の食生活で気にすることはありません。
安全なにがり摂取量はどれくらい?
健康長寿ネットでは、マグネシウムの1日の推奨量はでていますので、参考にしてください。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日のマグネシウムの推奨量を18~29歳男性では340mg、30~64歳男性では370mg、65~74歳男性では350mg、75歳以上の男性では320mgで、18~29歳女性では270mg、30~64歳女性では290mg、65~74歳女性では280mg、75歳以上の女性では260mgと設定しています。
通常の食事による過剰障害は報告されていないため、一般的な耐容上限量は設定されていませんが、サプリメントなどの通常の食品以外からの摂取量を成人で1日に350mg(小児の場合は体重1kgあたり5mg)と制限しています。
引用先:健康長寿ネット
にがりのブームとその理由
一時、にがりダイエットがテレビで紹介されるやいなや流行しました。
それは一時的なもので、今はテレビで見るたり聞いたりすることはなくなってきました。
にがりはダイエットの一環として知ることになりましたが、現在はどうなっているのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
なぜにがりが今注目されているのか?
ダイエットで注目されたにがりですが、現在ではコロナ禍での引きこもりから自宅で食事をすることが当たり前になってきましたね。
そのため、豆腐製品の需要が伸びていると食品新聞が発表しています。
日本だけではなく海外でも豆腐の需要が伸び、消費が拡大していますよね。
豆腐製品ばかりではなく、にがりは以前から異なる方法で使用されてきていますね。
にがりの最新トレンドとブームの裏側
にがりは、豆腐を作ること以外にも使用されることを知っていますか?
実は、マグネシウムは口からよりも皮膚からの吸収が早いことを知っていますか?
にがりの新しい使用方法については、またの機会に記事にしますのでお楽しみに。
マグネシウムを含んだ他の食品
マグネシウムは、魚介類、海藻類、穀類、野菜類、ナッツ類など、さまざまな食品に含まれています。
マグネシウムは加工していない食品に多く含まれていますので、積極的に取りましょう。
そのほか、マグネシウムを多く含む食品には、次のようなものがあります。
- かつおやまぐろ、あさり、わかめなどの魚介類
- 玄米や全粒粉パンなどの精製されていない穀類
- 枝豆、大豆製品
- アーモンドなどのナッツ類
- ほうれん草(生)
- バナナなどの果物
また、緑茶や紅茶、コーヒーなどの飲み物にもマグネシウムが含まれており、特に緑茶にはカフェインを含む飲み物の中で最も多く含まれていると言われています。
参考ホームページ ふるなび
まとめ
にがりは健康効果がない、危険な食品添加物とうわさされていますが、そんなことはなく、ちゃんとした健康効果があり危険な食品添加物ではないことがわかりました。
マグネシウムの凄いところは体のあらゆる作用に関与しているところです。
マグネシウムをしっかり取っていれば、体調不良に悩まされることもなく生活していけるのですね。
しかし、日本では十分な量を摂取できていないのが現状です。
しっかりとにがりやマグネシウムを多く含んでいる食品を摂取しましょう。
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